老人施設で弱音を吐く高齢のおばあちゃんに、後輩がKYを発揮し・・・
今回紹介するのは、ある老人施設での出来事です。
ぜひご覧ください。
人間的には好感が持てる後輩A君だが・・・
私はとある老人施設で働く介護福祉士で、業務の他にも新人の指導育成も担当しています。
高卒で就職してきた後輩A君は、言葉遣いは悪いんですが、人間的には好感が持てる男でした。
基本的に目上には丁寧に接しようとするも、言葉遣いや言動が、どうしても高校の先輩後輩的なノリになってる、と言った感じで。
施設を利用するお年寄りに対しても、自分の親戚に話しかけるみたいなノリが多く、その辺が特に指導の対象になっていました。
基本的に、利用者に対しては敬語、丁寧語で接し、タメ口は好ましくないとされています。
仕事は真面目だし、頑張って覚えようとしてるし、返事もしっかりとする。
それだけに、言葉や言動が社会人的にはKYで評価を落としてるのがもったいない、と私も他の同僚も思っていました。
そんなA君ですが、先日、結果的にですが良い意味でやらかしてくれました。
当時、施設には104歳になられたBさんと言うお婆さんが暮らしていました。
このBさん、晩年に体調を崩すまでは100歳を超えてもカクシャクとした方で、立って歩く事こそ出来ませんでしたが、それ以外は大半の事が自力で出来ていました。
本人も「私は元気なだけが取り柄」と笑って話すのが印象的な方でした。
そんなBさんでしたが加齢から来る病気や体調不良には勝てず、肺炎を患い、治ってからも以前のようには体が利かず、すっかり弱気になっていました。
以前は、自分で食べれていた食事は人の手を借りなければ無理。
以前は、しっかりと形のある米を食べれていたのに、今は全粥。
以前は、トイレに座って排泄が出来たのに、今はオムツ。
わずか数ヶ月の間の変化でしたので、健康が自慢だったBさんには耐えがたかったと思います。
「私はもうダメなんだね。すっかり弱ってしまって、情けないね」
と、弱々しく話すBさんは、以前とは別人のようでした。
その日も、A君の指導をしつつ一緒にBさんの居室を訪れました。
私はBさんの介助を行いつつ、A君には手順の説明、その際にBさんにはA君とも話してもらっていました。
その時もBさんは
「若い人にこんな世話をかけてごめんね。すっかりダメになっちゃって」
と弱気な発言が目立っていました。
が、その時にA君は持ち前のKYっぷりを発揮してくれました。
「え?100歳超えてるんだから、体にガタが来て当たり前じゃないっすか!?」
「それに、ついこの間まで元気だったんでしょ?どんだけ頑丈で長持ちだったんですか!?」
「俺みたいなガキからしたら、104歳まで健康だったとか、信じられないっすよ!尊敬します!」
不覚にも、一瞬「おまっ!?」と思考停止しかけました。
言いたい事は分からないでも無いですが、さすがにKY過ぎると、Bさんにフォローを、と思ったら・・・・・・
「あははははははは! あんた、面白い事言うね!」
何とBさんは大笑いを始め、しばらく笑い止みませんでした。
「・・・・・・そうよね、私は頑丈で長持ちしたのよね」
「この年まで健康だったし、玄孫もいるし、市からも長生きで表彰されたのよね」
「あんたみたいな考えがあるんだね、ありがとう」
と、笑いながらA君の手を握って感謝していました。
A君は「え? 俺そんな大層な事言ってないっすよ!?」とオロオロ(笑)
私は空気でした。
その後、Bさんは体調は回復しませんでしたが、以前のような明るさが戻りました。
「私はこの年まで、頑丈で長持ちしたんだよ」
「これからも迷惑かけるけど、よろしくお願いしますね」
と、いつも笑顔で話すようになりました。
同僚から「良い事だけど、何でだろ?」と聞かれ、理由を伝えると、そろって「おいおい・・・・・・」といったリアクション。
やっぱそう思いますよね?
A君も、「いや、俺そんなつもりじゃ・・・・・」と困惑気味。
もちろん、あの後は説教済みです。
Bさんはその後、半年ほどで天寿を全うされました。
病没ではなく、完全に寿命です。
植物がゆっくりと枯れ落ちるような、そんな生き物として自然な形でした。
天国に行く前日まで、介助等で関わるたびに全ての関係者に「ありがとう」と言い続けてくれました。
A君のKYな発言が結果的にBさんの心を救った事は間違いなく、Bさんの最期はとても穏やかだったと思います。
・・・・・・ですが、だからと言って社会人的にそれが許容されるはずも無く、A君はほぼ毎日先輩職員からの
「いい加減に言葉遣いを改めなさい!(意訳)」と説教される日々です。
まぁ、多少はマシにはなって来てはいますが。
何だかんだで皆から好かれる人間性は、私や他の同僚も認めてるんだから、早い事さらに一皮向けて大人になれよと願っています。
-終わり-
ネットの反応
・いい話だった。彼にはこれからも頑張って欲しいな。
・A君のフランクな言葉だからこそBさんの心に届いたのかもしれないよね。
A君の素直な気遣いがBさんに伝わったいい話だと思うよ。
・ヘルプマンというマンガを連想した。
いかがでしたか?
A君の予想外すぎる素直な言葉が、お婆さんの心に届いたのですね(*‘∀‘)
先輩達はヒヤヒヤしたでしょうが…
皆様はどう思われましたでしょうか?
もしよろしければ、ご意見ご感想よろしくお願いいたしますm(_ _)m
出典元:2ch.sc