昔、祖母の家にいた女と同じものが、自室のドアの横に立っていて、動けなくなった…長い髪の女がだんだん私の顔の方に近付いてきて…



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私の顔に髪の毛をざばっとかけるように覗きこんできたところでやっと声が出てお母さん!!!と叫んだ。そこで女は消えて、母が起きてくれた。

私の怖がりようがただごとじゃないと思ったのか、祖母が、近所で有名な「神さま」という人のところへ連れていってくれた。

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そこでのこともあんまり覚えてないんだけど、「神さま」が、丸い鏡のようなものを奉(まつ)った祭壇に向かいながら「りんず様~やおよろずの~~」みたいなことを言っていたのを覚えている。

いまだに母との間では、りんず様って何なんだろうね、と話に出る。秋田弁では、エ行の音がイに聞こえるので、レンズ様?とも思ったけどレンズ様じゃおかしいよね、よく分からない。

あとは何て言うのかぐぐったけど分からない、ハタキを豪華にしたようなもので何度も肩を叩かれた。

「神さま」が言うには幼ない時にこの世を去った母の弟が、成仏してないから変な霊を家に集めてしまうのだ。よくよく仏壇を綺麗にして成仏するように祈ってやりなさいと言ったらしい。

ちなみに母の実家は曹洞宗(そうとうしゅう)。「神さま」は曹洞宗とは関係ないと思う。

一番不思議なのは、三時間以上そこで正座のままだったんだけど、足がしびれなかったこと。

普段正座なんて長時間はしないから、たまにするとすぐ足がしびれてしまうんだけど、そこではしびれなかった。これは私だけじゃなくて母もそうだったらしい。祖母はずっと泣いていたので聞けなかった。

それから私は見違えたように元気になり、家へ戻った。それきり金縛りや「神さま」のことは忘れた。

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たまに母とは笑い話のように話すことはあるものの、自分の子供のことが絡んで傷ついてたであろう祖母には何も聞いたり話したりはしないまま、私は高校大学と進み、今は30を越える大人になった。

それがまたおかしくなったのは去年のことで、ある日15年以上ぶりに金縛りにあった。

昔、祖母の家にいた女と同じものが、自室のドアの横に立っていて、動けなくなった私は、それをベッドから目だけで追っていた…

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