ところが家が浸水してしまい
ところが家が浸水してしまい、手紙がびしょびしょで復活できない状態に。
それでもどうにか…と思っているうちに捨てられてしまった。
魂が抜けたかと思っていたら、息子が手紙の写真を携帯で撮っていた。
震災のニュースを見ていて、写真や手紙もデータにしとけば万が一のときも残る可能性があるなと思って、中身は極力読まずに撮っておいてくれたらしい。
バックアップも複数してあるそうで、もし息子の携帯が壊れてもみられるんだとか。
それをきっかけに、今まで見なかった嫁個人の日記というか、入院中に書いていたノートのデータを見た。
辛い苦しいみたいなことも書いてあるんだけど、そのあとに必ず
「でも私で良かった。病気になったのが息子や娘、旦那じゃなくて良かった。神様、ナイス!」と書いてある。
「もし旦那だったら、私は弱いしだらしないから、息子と娘を立派に育てることはできないだろう。旦那に任せていけるからなにも心配ないね。
あーでも二人の成長を見たかったなぁ。息子が水に顔をつけられるようになるの見たかった。娘が話すのを聞きたかった。
誕生日の手紙、とんちんかんなこと書いてたらごめんね。二人がどんなふうに成長してるかわからないから、妄想。
生まれ変わらずに待ってるから、100年後くらいに、あったことぜんぶぜんぶ教えてね」
と書いてあった。
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