例えば、あなたに頼まれて私が冷蔵庫からビールを取ってきたら、本来あなたは『ありがとう』って言うの。
私は『どういたしまして』って言うの。
あなたが私にぶつかっちゃったりしたら、あなたは『ごめん』って言って、私は『大丈夫だよ』って言うの。
私たちにはそのやり取りが無いんだよ…」
そう言われた。
その時は全然そんなふうには思ってなかったから、
「いや、言ってるだろ!」と言ったら、
「喧嘩したいわけじゃないんだってば」と困ったように言われた。
嫁が言うには、俺はありがとう・ごめんなさいの他にも、嫁のありがとうやごめんなさいに対する返答も疎かすぎるらしい。
「私があなたのしてくれた事にありがとうって言ったら、せめて『うん』ぐらい返して欲しいよ。
私がありがとうって言ってもあなたは無言だから、いつも少しだけ悲しいんだよ。
毎回少し悲しい」
と言われた。
返してるつもりだった。
口からでていなかったのか。とその時知った。
次の日から
次の日から、本来「ありがとう」「ごめんなさい」を言うタイミングで、嫁が「今だよー!ありがとうのタイミング!ほらっ」と笑顔で突っ込んでくるようになった。
嫁が「あ、ごめん」と言った時につい無言でいると、覗き込んで「ねえってば、ごめんね?」と改めて言ってくるので、
「おっ、おお、大丈夫だよ」みたいな感じで返すようになった。
こうやって言われて初めて、俺は全然足りなかったんだと知った。
しばらく経った今も…
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